宗明会 保健室だより③

前回,体調管理について項目のみ挙げさせて頂きました。
今日は、①の排便コントロールについてお話ししようと思います。

先ず、排便が順調に無いと、何が起こるのでしょうか?
言わずもがなですが、便が出ないと本来捨てられるべき不要物が体内に残り、色々な悪戯をします。おなかが張って気持ちが悪かったり、直腸まで降りて来ているのに排泄されない時など、それだけで不快になり落ち着かなくなります。
特に高齢者で、不快感を訴えられない方は、どこが気持ち悪いのか伝えられないので、「ここではない、何処か」へ行きたくなったりします。又、毒素が腸から吸収されて体内に入ることで、見えないものが見えたり、聞こえない音が聞こえたりする事もあります。食欲が落ちたり吐き気が出たりする事も、便秘が引き起こす合併症の1つです。

では、「訴える事が出来ない高齢者の方の声」を聞くにはどうしたらよいか?先ずは周囲の人達が観察して、いろんな方法で排便促しをする事です。

見岳荘グループではご利用者様の日々の排泄状況を、下記写真のようなチェックリストを作成して、怒りっぽい時や落ち着かない時など、排便が順調にあったか確認し、各人にあった排便コントロールの計画を立て、適切な時期に下剤の内服や、座薬の使用、浣腸、摘便等を施設の看護師と訪問看護ステーションと連携し、計画的に実施しています。

排便の状況を「いつ・どれ位・どんな便があったか」を把握することは適切な排便コントロールを行う為に、とても重要なことです。票に記録して行くことで、その状況を把握でき、必要な時に適切な投薬や、浣腸等の処置を行うことが出来ます。
小規模多機能型居宅介護は、ご家族との連携もとても大切で、施設での様子のみでは情報が途切れとぎれとなり、適切な判断が出来なくなります。
なので、ご家族の皆様にも、ご自宅での日々の排泄の状況を伝えて頂くよう、お便り帳に記入部位を作っています。ご利用者様の体調管理の為、ご記入いただけると施設の看護師としては、とてもありがたいのです。         

つづく  文責:宗明会保健室 山田きく美

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